まんが雑談 - お題「連載中マンガ - 10巻まで編 -」

連載中マンガ - 10巻まで編 -

■10巻以内で連載中の作品

あんかけ まず出てきたのが『波よ聞いてくれ』(既刊8巻)。

タコワサ 前にも触れてる気がするけど(笑)

あんかけ そう。ただ、月刊誌で進行ペースが遅いから、オススメしやすい。

タコワサ 最新巻は舞台の札幌で地震が起こり停電になったあたりだよね。

あんかけ 前巻で地震起こって、今回の巻で地震後ってところですね。

タコワサ 今も札幌住んでる知り合いに話聞くと、実際にあった2018年の停電とかやばかったらしいからね。

あんかけ 東日本大震災時の計画停電以来の状況だったらしいですね。

タコワサ 札幌なんて、冬に電気無くなったら生きるか死ぬかの問題だもんね。暖を取れないと。

あんかけ 石油ストーブで備蓄があれば、そこは大丈夫そうだけど。でも「波よ聞いてくれ」の中でもありましたけど、電化が進んでる家ほどやばいって話ですね。

タコワサ 「波よ聞いてくれ」は前にも話題に上った気がするけど、具体的に作品の話をあまりしていない気がする。

あんかけ そうですね、だいたい札幌の話ばかりしてる気が(笑)

タコワサ 俺もあの作品は好きだけど、なんで面白いと思ってるんだろう。買って読んでるんだけど。

あんかけ まず、僕たち二人ともラジオが好きじゃ無いですか。

タコワサ そうね。二人とも未だに「伊集院光の深夜の馬鹿力」リスナーだしね(笑)。俺は週に10番組くらい「radiko」のタイムフリーで聞いてる。ほんとあれ便利。安いし。

あんかけ 僕は、twitch配信とかがメインです。配信系でラジオ形式で話している人が結構多いんでそれを聞いてますね。プロゲーマーが雑談をラジオ風に話しているのを好きでよく聞いてますね。

タコワサ 考えたらラジオがテーマのマンガってこれまでなかったか。

あんかけ 映画だと三谷幸喜の「ラヂオの時間」とか。

タコワサ あの頃までの三谷幸喜は本当に面白かった。西村雅彦さんと近藤芳正さんの二人芝居「笑の大学」とか名作だった。今はもう……。

あんかけ ラジオの話に戻っちゃうんですけど、90年代って「オールナイトニッポン」に対抗するため、各地方局が気合入ってて。FMではTeam nacksのメンバー使って下ネタ番組やってたり。昼は真面目なアナウンサーなのに、深夜にひたすら下ネタ言ってたり。当時の北海道の深夜ラジオなんて、多分今の基準では放送すら許されないほどの下ネタでしたよね(笑)

タコワサ 深夜だし、地方だしってやりたい放題やってた感じだったね(笑)

あんかけ 北海道の深夜テレビも酷かったですからね。おっぱい出しすぎて怒られて、それで始まったのが旅する「水曜どうでしょう」ですもんね(笑)

タコワサ 元々大泉洋さんも色々酷い事やらされてたよね。

あんかけ 大泉洋さんはすすきの風俗レポーターでしたからね(笑)

タコワサ その流れで、拉致られて旅をしてたのが「どうでしょう」。それが今では紅白の司会ですよ。大泉洋さんも出世したもんだね(笑)

あんかけ 東京の深夜ラジオって、これから売れる芸人さんとかタレントさんが頑張るところですけど、北海道の深夜ラジオってただのカオスで。だから「波よ聞いてくれ」みたいな番組は北海道だとあってもおかしくない雰囲気があるんですよ。

タコワサ スポンサーの無い番組なら尚更ね。「波よ聞いてくれ」に関しては、主人公のミナレがいいキャラしてる。あの人のラジオなら聞いてみたい。

あんかけ 「波よ聞いてくれ」のモデルになってるラジオ局は時計台の隣にありますからね。

タコワサ 「期待して見に行くとがっかりする」で有名な時計台のね。

あんかけ そう、藻岩山ラジオは時計台ラジオですよ。

タコワサ 作者の沙村広明先生って札幌出身なのかね?

あんかけ wiki情報だと千葉県出身。で多摩美術大学ですね。

タコワサ え、札幌と接点無いの?

あんかけ みたいです。

タコワサ 地元民じゃなきゃ藻岩山にラジオ局建てようとか考えないよ。なんでだ?

あんかけ 札幌に縁もゆかりもないっぽいのに、札幌ど密着な作品ですよね。

タコワサ 出てくる人間も濃いし。

あんかけ キャラマンガですよね。ジャンプ作品っぽい。

タコワサ ギャグだよね。出てくる全員が。みんなおかしい。

あんかけ 作品の作り方は良いパーツを並べた感じ。

タコワサ 変な作品だよ(笑)

あんかけ アニメもやってたし、ある程度名前は知れるようになった気がしますね。


タコワサ 俺のオススメは、連載中で軽めの作品から始めますが『SPY×FAMILY』(既刊5巻)だね。多分ほっておいても売れるだろうけど。読んだ?

あんかけ 宣伝とかで良く目にして、読もうかなと思ってたけどまだ読んでないです。

タコワサ スパイの父親、超能力で人の考えが読める娘、殺し屋の母親って三人が、結婚して生活をするって話。父と娘には血のつながりがないけどある事情で一緒になってるの。ただ本格スパイものではないのよ。「娘のほのぼの学園コメディ」です。

あんかけ なるほど。

タコワサ で、お互いの素性を知らずに生活していく系。昔「Mr.&Mrs.スミス」って映画があって、ブラット・ピットとアンジェリーナ・ジョリーの、そんな感じ。

あんかけ ありましたね、そんな映画。

タコワサ ただ、スパイ物として期待して見ると失敗する訳なのよ。俺は「007」シリーズも「ミッション・インポッシブル」シリーズも全部見てますが、あれとは違う。基本的にスパイ物ではないです。ファミリー物。

あんかけ ファミリー物なんですか。

タコワサ そう、小ちゃい女の子が変な事してほのぼのする感じ。これは「よつばと!」に近いのかな。

あんかけ 結局はほのぼの系なんですね。

タコワサ 「鬼滅の刃」より全然ほのぼのしてますよ。1話で家族が惨殺されてたりはしない(笑)

あんかけ 伊集院光も言ってる家族が惨殺されてる話を子供に読ませるのはどうなのっていう(笑)。まあ、昔のゲームで「ドラゴンクエスト」とか「テイルズオブ」とか家族惨殺されてたり村ごと壊滅させられますからね。

タコワサ 魔王がちゃんと魔王の仕事してた時代ね。

あんかけ 「スパイファミリー」はアニメ化してるんですか?

タコワサ いままだ5巻だけどもう話は進んでるんじゃないか。アニメ化って約3年かかるって話だから。


あんかけ 僕は「波よ聞いてくれ」の話ができて満足なので、どんどんオススメ行ってください。

タコワサ そう、じゃあ次のオススメがね『昭和天皇物語』(既刊6巻)ですよ。内容はタイトル通りね。昭和天皇の物語。

あんかけ わかりやすい(笑)。作者の名前を知ってる気がする。

タコワサ 「月下の棋士」描いた能條純一先生です。

あんかけ ああ。

タコワサ 「セクシーギャル」とか麻雀マンガとか描いてた能條先生が天皇の話を描いてる訳です。

あんかけ 言い方(笑)

タコワサ 俺は思想的に右も左もないんだけど、一人の人間としての昭和天皇を生い立ちから丁寧に描いてくれてるからしっかりと読める。昭和生まれとして、読んでおくかとね。

あんかけ (笑)

タコワサ 教科書で習った近代日本を当事者の目線で追っていけるのが良い。能條先生だから面白く読める。国民全員に給付金と一緒に配っても良いマンガだと思う。

あんかけ でも、色々と難しいですよね。右とか左とかの話も入ってくると。

タコワサ そう、だから単に一人の人物の物語として捉えるべき。

あんかけ 気を付けないといけないやつ。

タコワサ 国とか国家が絡むと途端に難しい話になる。今Netflixで「ザ・クラウン」っていう元はBBC制作のドラマ見てるんだけど、これは英国のエリザベス女王の話だけどさ。ただ、ドラマとして、物語として見るべきだよね。描いた人、作った人の思想が乗ってくると一気にバイアス働いてしまうし。

あんかけ 国だ天皇だ国王だって話は、一種のタブーに近いですからね。語っちゃダメって風潮が強いですよね。

タコワサ そう、是か否かで語っちゃうとトラブルの元だからね。


あんかけ 次のオススメは?

タコワサ 重めの作品の次は軽く読める作品、『とんがり帽子のアトリエ』(既刊7巻)だね。これはね、とにかく絵がきれい。

あんかけ 調べたらありました。最近はいいですね、1話無料とかで結構見ることができるのが。

タコワサ 立ち読み感覚でね。BOOKOFFは制作側に何も入らないからいらないんだけど、読める機会は欲しいんだよね。面白ければ続けて買うからって。

あんかけ 当たり前ですけど、やっぱ試さない事には始まらないですからね。

タコワサ それでさ、マンガって絵が大事だなって改めて思う作品なのよ。冨樫義博先生のラフとか1ページテキストのみとか見た後だと特に。

あんかけ 比べるところが(笑)

タコワサ 最近の中では群を抜いて上手いと思う。

あんかけ ちょっと読んだ感じ、最近では珍しく背景を頑張るところと頑張らないところをしっかりと割り切って描いてる感じですね。

タコワサ 物語は魔法使いの弟子が主人公で、魔法陣を書いて魔法を使うタイプのファンタジー作品。

あんかけ 魔法陣とか詠唱とかいつからあるんですかね。

タコワサ 魔法の詠唱が一般的になったのって「スレイヤーズ」からだと思う。ライトノベルだけど。

あんかけ 「スレイヤーズ」って出た当初はまだライトノベルって文化がなかったですよね。

タコワサ あるにはあったのよ。元々の話だと日本では「ロードス島戦記」とか「ヴァンパイアハンターD」とかかな。一般小説との対比の意味でライトノベルって呼ばれ方はしてたけど、ジャンルとして確立はしてなかった。何せまだ未発達のジャンルカテゴリーだったから数が少なかった。

あんかけ ゲーム系だと魔法詠唱ってないじゃないですか。「FFⅣ」でやっと発動時間的な概念が生まれて。メテオいつまでかかるんだよみたいな(笑)

タコワサ そう、発動前に敵に倒されちゃったりね(笑)

あんかけ だから発動早い魔法連打してた方が有効的な。

タコワサ ゲームの魔法を視覚化して、詠唱もあったのが「ダイの大冒険」ですよ。

あんかけ あれって詠唱ありましたっけ?

タコワサ 初期はね。ラナリオンって雨雲呼ぶ時とかポップが詠唱してた。で、この「とんがり帽子のアトリエ」では魔法陣にちゃんと意味があるのが面白いのよ。気軽に楽しめる作品。


あんかけ ほのぼの系に天皇の話に魔法ファンタジー、そして次は?

タコワサ じゃあ次は『百姓貴族』(既刊6巻)の事を話しますか。

あんかけ 急に農業(笑)。まだ連載してたんですか、このマンガ?

タコワサ 絶賛連載中でございます。完結するのかもわからない。気がついたら最新刊が出てる感じ。

あんかけ 僕も途中まで読みましたよ。牛を家で飼うとどうなるかとかの話とか好きでした。

タコワサ ただ、これを読む前に「鋼の錬金術師」を読んでもらいたい。

あんかけ 「トリキの錬金術師」でも話題にあがった。

タコワサ あんなの全然錬金術師じゃない。アルの声優も言ってたけどそもそも「等価交換」の概念がない。

あんかけ やってた方も多分そこまで考えてない(笑)

タコワサ 戻るけど、「銀の匙」も読んでおいた方がいい。そしたらその原点がこの「百姓貴族」だと理解できる。

あんかけ 僕も両方読んでますね。

タコワサ そう、そしたら分かるの。「真の荒川弘」(女性)がここにあるって。

あんかけ (笑)

タコワサ 農家というか牧畜を産まれた時から見てるからこそ、「命ってなんだ」っていうテーマの作品を描けたんだと思うの。ただ、作品の後半は親父さんのとんでもエピソードが中心になってるけど(笑)

あんかけ そうですね(笑)。狩猟系のマンガ、例えば「山賊ダイヤリー」とかAmazonプライムでやってた東野幸治と今田耕司がやってた、なんでしたっけ?

タコワサ 「カリギュラ」の「東野 鹿を狩る」ね。

あんかけ そうそれ。ああゆうの見て、子供には屠殺系の物はしっかりと見せたいとは思いましたね。

タコワサ ある意味でそれは「食育」だよね。食べ物とは何か、食べるとは何なのかを教えるのは大事。

あんかけ 住んでる近くに品川屠場があって、見れるのかと思ったら見させてくれなくて。

タコワサ 予約制とかなの?

あんかけ 人のブログとかで見てきたっていうのはあるんですけど、団体とかで交渉をしないとダメっぽいんですよ。

タコワサ そうなんだ。

あんかけ いつか息子を連れて行きたい。勉強のために。

タコワサ 昔は動物番組とかでも動物が動物を狩るシーンとか普通に流してたけどさ、最近だとダメなんでしょ。むしゃむしゃってお食事してるシーンとか。

あんかけ 「鬼滅の刃」で首が飛ぶのを見慣れてるのに。見せてもいい気がする。

タコワサ 「どうぶつの森」とか本来は過酷な生存競争が行われていなければならないのに、呑気に世間話とかしてるからね。ライオンとシカが。

あんかけ あれは野生動物ではないので(笑)

タコワサ でもさ、見てた動物番組で世代が分かるよね。「わくわく動物ランド」なのか「動物奇想天外」なのか「志村動物園」なのかで。

あんかけ 僕、動物番組全然好きではなかったんですよ、だから見なかったですね。テレビでやってたらチャンネルを変えてました。

タコワサ 「ナショナルジオグラフィック」とかも?

あんかけ はい、見ないですね。

タコワサ なんで?

あんかけ ただ単に興味がない(笑)

タコワサ ならしょうがないね(笑)。でも屠殺には興味があると。

あんかけ そうですね。

タコワサ でも品川に屠殺場があるのは知らなかった。

あんかけ 「魚は築地、肉は品川」って言われてたくらいですよ。

タコワサ そんな言葉あるんだ。

あんかけ 正確なところは分からないですけど、品川が近い五反田に美味しい焼肉屋が多いのはそのせいだと思ってます。

タコワサ 鮮度がいいと。

あんかけ 直ぐ手に入るから。

タコワサ そう聞くとそんな気がするね。

あんかけ ある程度の肉を提供する店ならどこでも美味しいです。○○○とか○○とか激安チェーン店でなければ。

タコワサ 店名は出しちゃダメよ(笑)

あんかけ 個人でやってる焼肉屋は基本美味しいです。五反田は。

タコワサ 大阪だとどこになるんだろう。

あんかけ 羽曳野市って知ってます?

タコワサ 知らない。

あんかけ 肉の聖地らしいですね。近くに屠場が多いみたいですし。

タコワサ しかし、毎日のように肉は食ってるのに、屠場ってどこにあるのか知らないもんだね。

あんかけ 僕も近くに住んでなかったら品川屠場の事は知らなかったですからね。


タコワサ 色々話してきました。『天国大魔境』と『空挺ドラゴンズ』とか『メイドインアビス』とかまだあるけど、今回はこんなところかな。

あんかけ 屠場の話を長くしすぎましたね。

タコワサ やっぱり食べるってのは大事だよ。コロナ禍ではまず体力をつけないと。

あんかけ 早く気軽に外に食べに行ける感じになりたいですよね。

タコワサ そしたら真っ先に五反田の焼肉屋に行こう。そして美味しいお肉を食べよう。


■紹介マンガ

『波よ聞いてくれ』(既刊8巻)

『SPY×FAMILY』(既刊5巻)

『昭和天皇物語』(既刊6巻)

『とんがり帽子のアトリエ』(既刊7巻)

『百姓貴族』(既刊6巻)