「まんが雑談 お題」 - 10巻完結編 -

あんかけ 10巻以内で完結しているオススメマンガは?

タコワサ 前に「幽☆遊☆白書」の話をした以上、『レベルE』(全3巻)の話をしないとダメでしょう。しないとマナー違反。

あんかけ 何の?(笑)「レベルE」は、今僕が持ってますけど上下巻の文庫本なんですよ。

タコワサ 俺も今家にあるのは文庫版。単行本持ってたはずだけど見当たらなくて買いなおしたやつ。

あんかけ 「レベルE」はヤバイですね(笑)戦隊物にさせられる話とかかなり好きですね。

タコワサ 少年たちのね。冨樫義博先生が本当に好きな物をただ描いた感じが楽しい。もう王子とか最悪のキャラだしね(笑)

あんかけ みんなが王子を抹殺したいって感じが(笑)

タコワサ お付きのクラフトさんの苦労は大人になって社会に出てから沁みるんだよ(笑)

あんかけ ダメな人の部下になった時のあの苦労(笑)

タコワサ でも冨樫義博先生は改めて考えるとすごいよね。「幽☆遊☆白書」描いて「レベルE」描いて「HUNTER×HUNTER」描いて。そしてデビュー作が『てんで性悪キューピッド』よ。

あんかけ デビュー作品だけ読んでないですね。基本作家で追わないタイプなので。

タコワサ この作品は先生自身も自分じゃないって言ってるから。あれはウ冠の富樫義博が描いたって(笑)。

あんかけ 井上雄彦のカメレオンジュエルみたいに(笑)


タコワサ 後どんなのあるかな?

あんかけ 『寄生獣』(全10巻)。名作ですよね。

タコワサ 子供の頃、読んだ当時はすごい衝撃だったけど、最近読み返したらそれほど酷い描写ないなあって思ってしまった。「HUNTER×HUNTER」とかで慣れちゃったのかもしれない。

あんかけ 首が吹っ飛ぶくらいではもう誰も何も思わなくてなってる。

タコワサ 「キングダム」なんて毎週首が舞ってるよ(笑)

あんかけ なにより、人間の顔が変になったり、ガバって開く描写が凄いなって思ってた。

タコワサ 古い映画で「遊星からの物体X」とかにそんな描写があるんだよね。設定含めて岩明均先生はインスパイアは受けてると思う。

あんかけ 僕は連載当時は小学生くらいだったから、リアルタイムでは読む気はしなかったんですよ。大人になってから読んで面白かった。

タコワサ 当時話題になっちゃったらPTAが黙ってなかったよ。「北斗の拳」っていうファンタジーにすら、あの人たちは噛み付いてたからね。

あんかけ ただマンガというある種のファンタジーをリアルが超えてしまったじゃないですか。神戸の事件で。子供が子供を殺害してしまって、その後の行動とか。

タコワサ 「寄生獣」は単純に話としても面白い部分があった。俺はミギーと主人公の連携がこなれていくのが楽しかったかな。

あんかけ 宇田(アゴに寄生獣がいるキャラ)が出てきてから作品がいい感じに緩みましたよね。

タコワサ アゴに寄生したから名前がジョーね。右手のミギーといいネーミングがいい感じ。

あんかけ 全体的に猟奇的なあの作品の中での緩みが絶妙だった。

タコワサ 脇役って大事よな。

あんかけ ただ、話的には最後、広川市長の正体が一番衝撃でした。そこに至る展開も含めてとにかく面白かったですね。

タコワサ 作品はアニメ化と実写映画化はしてたよね。

あんかけ アニメ化されてるんですか?

タコワサ うん、連載後20年後近くたってから。大分キャラ設定変わってたけど。

あんかけ 実写の方は知ってますね。

タコワサ 染谷将太くんでね。マンガの実写化は染谷将太か山崎賢人にやらせとけば問題ないって風潮がある。

あんかけ (笑)。そういえば『みんな!エスパーだよ!』1、2巻が無料で読み始めたら8巻全部読んじゃいました。

タコワサ 主演マキタスポーツね。

あんかけ いえいえ、一応、染谷将太(笑)。やっぱり方言使う作品は文字にパンチがあって面白いですね。「ファブル」も大阪弁で楽しめる。

タコワサ 西が舞台だとね。札幌というか北海道弁ってあまり無いかな。

あんかけ 北海道弁って単語の違いとかがメインで、文字にするとあまりインパクトがないんですよ。「だべ」もなんか一般化してるし。

タコワサ 「だべ」は中居正広のせいだろうな。札幌の作品だと何があるっけ? 前回「波よ聞いてくれ」の話はしたけど。

あんかけ 古めの作品だと『最終兵器彼女』(全7巻)がありますね。これも札幌が舞台です。

タコワサ 絵が苦手でちょっと読んでなかったな。

あんかけ 札幌、小樽が舞台だから読んでみました。

タコワサ 札幌が舞台の作品って調べたら結構あるのかな。いつかそれをテーマに話したいかも。

あんかけ 二人とももう札幌在住じゃないですけどね(笑)


タコワサ 思い出した、『スティーブズ』(全7巻)ってオススメがある。

あんかけ どんな話ですか?

タコワサ 題名の「スティーブズ」はジョブズとウォズのこと。

あんかけ Appleの。

タコワサ そう、あの二人の話。描いてるのがうめ先生で『東京トイボックス』(全2巻)とか続編の『大東京トイボックス』(全10巻)描いた人。こっちはゲーム制作がテーマ。

あんかけ いつくらいの作品ですか?

タコワサ 2011年にジョブズ死去した直後にジョブズ関連の書籍が大量に出てて、その少しあとくらいかな。うめ先生の作品好きだかけどあまり広がらないんだよな。

あんかけ 雑誌は何で掲載してたんですか?

タコワサ ビックコミックスペリオールだね。

あんかけ じゃあ、掲載誌がマイナーだったって訳ではないんですね。

タコワサ この作品はジョブス本のブームのちょっと後に出ちゃったから乗り遅れちゃった感じなのかな。ただ、読みやすいし最近のAppleはちょっと残念だから改めて読んでみるのはいいと思う。

あんかけ 意外な作品が来た感じですね。


タコワサ 手軽に読むなら『プラネテス』かな。前にちょっと触れたけど。

あんかけ 「プラネテス」って短いんですよね。

タコワサ そう、全4巻。値段的にも時間的にも映画館で1本みるくらいのボリューム感。


あんかけ ぜひオススメしたいのが『ハトのおよめさん』。通称「ハトよめ」。

タコワサ 何それ? 

あんかけ アニメ化されてますよ。

タコワサ ハトって、鳥のハト?

あんかけ そう、ジャンルで言うと、動物コメディかな。あ! 全11巻だった。今回は10巻以内オススメというテーマなのに。

タコワサ まあ1巻くらいいいじゃない(笑)今ネットで画像見たけど、ゆるい絵だね(笑)

あんかけ ゆるい絵でひたすら下ネタと社会風刺。子供が「ブッ殺す」しか言わないんですよ。なので名前が「ブッコ」。

タコワサ 子育て物なの?

あんかけ いえ、非日常系です(笑)。日常系を装った、そうではないやつです(笑)最後はだいたいハトビームで片付ける。

タコワサ wiki情報だとアフタヌーンで『ああっ女神さまっ』『無限の住人』に次ぐ古参だとか(笑)そうなの?

あんかけ 古参でしたね。

タコワサ 俺、アフタヌーン作品はコミック買って読んで、本誌の方を読んでなかったから知らなかったのか。

あんかけ 僕は友達の家に行ったらあって、読んでみたらずっと笑ってました。持ち主からも「お前そんなに笑うの?」って言われたくらい(笑)

タコワサ (笑)

あんかけ 「ハトよめ」は少し不思議なマンガで、1巻はまだスピード感がないんですけど、2巻あたりから加速する。まあ1巻の時点で十分おかしいんですけど。特に2巻の1話とかはかなり気合が入ってる。

タコワサ 1巻だけ読んで辞めちゃうのはもったいない作品ってことね。

あんかけ そうですね。まあ1話完結タイプの作品なんで、例えば5巻あたりから読んでも問題はないですけどね。

タコワサ 「クレヨンしんちゃん」とかみたいな。

あんかけ 当時(1999年~2012年連載)の時事ネタとか作者の好きなパチンコネタとかをぶっ込んでくるんです。プロレスネタとかも。癖があって好きな人は本当に好きになると思いますよ。ギャグ漫画好きなら。

タコワサ ちょっと気になるな。このブログのせいで買わなきゃいけないマンガどんどん増えてる(笑)。「島耕作」とか大きめな本屋行っても置いてないしね。電子書籍で買うかAmazonで買うかしかない。

あんかけ 電子書籍の方がいいですって。本棚いくらあっても足りないから。

タコワサ わかってるんだけど、買っちゃうんだよね。やっぱり並べるのが好きみたい。それで苦しんでいるんだけど。

あんかけ 苦しんでるんじゃないですか(笑)

タコワサ (笑)

あんかけ そういえばアフタヌーンで「ハトよめ」と一緒に連載してた『臨死!!江古田ちゃん』(全8巻)もまあまあ好きでしたね。

タコワサ アニメ化とドラマ化もしてたよね。

あんかけ 「ハトよめ」と一緒にアニメ化してましたね。

タコワサ 「江古田ちゃん」もアフタヌーンだったんだね。これは読んでなかったな。

あんかけ 読む人にとってはリアルだったりアンリアルだったり(笑)

タコワサ wikiで設定みると、主人公は北海道の釧路出身で東京の江古田に住んでるんだね。ああそれで江古田ちゃんか。

あんかけ はい。そのままです。

タコワサ アフタヌーンって雑誌さ。今でこそ色々アニメ化もされてメジャー作品多いけど、昔はマンガ好きの人が読むちょっとマニアックな雑誌って印象が強かったよね。

あんかけ 「ああっ女神さまっ」が一人で頑張ってた時代。僕も雑誌で読むっていうより友達の家にあるマンガで読むって感じでした。で、それがアフタヌーンだって知ったという。

タコワサ そう、昔の文化ね。今人の家行っても紙のマンガは処分して、電子書籍で買ってるって人が増えて借りて読めない。

あんかけ iPad貸してくれって難しいですしね(笑)

タコワサ そう、普段使ってるアプリとか見てるサイト情報とかもダダ漏れになっちゃうから(笑)

あんかけ 端末は個人情報の宝庫ですからね。



タコワサ 俺も10巻ちょっと超えて全11巻の作品を一つ話したい。『柔道部物語』。小林まこと先生の。

あんかけ 読んだことないんですけど、面白いですか?

タコワサ うん、名作。野村忠宏に金メダルを取らせたマンガ。最近『女子柔道部物語』って新しいシリーズが始まってる。

あんかけ スポーツものって全体的に長いイメージが。

タコワサ 松本大洋先生の『ピンポン』が全5巻だね。卓球マンガ。

あんかけ 「ピンポン」は実写のはみました。

タコワサ 窪塚洋介。

あんかけ あと中村獅童。



タコワサ 後短めの作品だと、『ドラゴンヘッド』も全10巻だね。

あんかけ 「ドラゴンヘッド」は9巻までは面白いです。

タコワサ 最後がアレな作品だよね。

あんかけ 連載当初も8巻くらいで連載休んでましたし。迷走した感じが。

タコワサ 海外ドラマの「ゲーム・オブ・スローンズ」もそれまでは最高に面白いのに最後で唖然としちゃったしね。

あんかけ 当時の「ヤンマガ」自体がグダってて、「ドラゴンヘッド」と「3×3EYES」をどうおわらせるかがわからない感じが伝わってきてた。後「代紋TAKE2」も。

タコワサ みんな迷ってたね。

あんかけ そう、そして全部酷い終わり方をしたっていう。

タコワサ 「3×3EYES」は続編で続けてるけどね。



あんかけ 最後にこの作品ですよ『東京BABYLON』(全7巻)。令和になってのアニメ化ですよ。平成初期の連載作品が。

タコワサ CLAMPだっけ。

あんかけ そう、CLAMPは他の作品はあまり好きになれなかったけど、この作品は読んでたんですよ。

タコワサ あの肩パットが今の若い子たちは理解できないらしいね。

あんかけ (笑)確かに。

タコワサ そんなんじゃ「COMPLEX」のカッコよさとか理解できたいよな。

あんかけ 今はあの二人も肩パットしてないですから(笑)

タコワサ 「東京BABYLON」読んでないんだよ。

あんかけ 「幽白」よりも前に妖怪探偵をやってるんですよ。最後が多分「エックス」につなげるために変になった感じですね。なので作品単体ではちゃんと終わらないです。

タコワサ ふわっと終わるの?

あんかけ 終わるは終わるんですけど、ああこれは「エックス」があるからこんな感じなのかって。

タコワサ CLAMPって作品の名前は知ってるけど、実際ほとんど読んでないんだよね。

あんかけ CLAMP作品は、浦沢直樹作品と同じで「終わらせ方」があまり上手くないです。

タコワサ マガジンかなんかでオールスター的なマンガやってたんだっけ?

あんかけ 「ツバサ」ですかね。ファンは楽しめたとは思いますけど、僕はあまりでした。

タコワサ しかし、まさか最後が「東京BABYLON」の話で終わるとはね。




■紹介マンガ
『レベルE』(全2巻)

『寄生獣』(全10巻)

『みんな!エスパーだよ!』(全8巻)

『最終兵器彼女』(全7巻)

『スティーブズ』(全7巻)

『東京トイボックス』(全2巻)

『大東京トイボックス』(全10巻)

『プラネテス』(全4巻)

『ハトのおよめさん』(全11巻)

『臨死!!江古田ちゃん』(全8巻)

『柔道部物語』(全11巻)

『ピンポン』(全5巻)

『ドラゴンヘッド』(全10巻)

『東京BABYLON』(全7巻)